ある春の日、第三者。
「ずっと、一生お互いの側にいますって言う約束。」
少女の母は言った。
優しく、言い聞かせるように。
優しい日が差す六月の昼下がり。
優しい空気がそこにはあった。
少女の母の言葉はその優しい声とともに、少女とその隣で聞き耳を立てていた少年の心に刻まれていく。
そして二人は思った。
結婚すれば大事な人とずっと一緒にいられるのだと。
大好きで、大事な人と。
そしてその思いはどこまでも真っ直ぐで、暖かかった。
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