6歳、春、僕。
結婚式の鐘がなる。
神父さんの声が響いて、まるで子守唄みたいだ。
何を言ってるのかまったく分からない。
僕達家族とひかりの家族は、俺達の親の元同級生が結婚するというので、その結婚式に来ていた。
ふと隣を見ると、ひかりがこれから夫婦になるであろう二人を見て、目を輝かせている。
「きれー...」
などとつぶやいている。
そうかな、まぁ、少なくともひかりには似合わないだろうなと心の中で毒ついてみる。
口には出さない。
泣き虫なひかりが聞いたらまた泣くだろうから。
そしたらまたママとパパに怒られてしまう。
暖かい光がステンドグラスから零れ落ちて優しい光を放っている。
うとうとしながら、もう一度、これから誓いを交わす二人に目を向けた。