11歳、夏、私。
私は笑った。
可笑しかったのではない。
ただ、安心させてあげたくて。
まーくんの真剣な顔とは裏腹に繋いだ手が震えていたから。
きっと不安なんだろう。
もしここで私が拒絶したら。
もしここで私が突き放したら。
そんな事ばかりが今彼の頭を支配しているのだろう。
そして一番不安なのは、これで、私達の関係が壊れてしまったらということ。
その時、私は思った。
こんなことで私達の関係が壊れるわけないと。
これまでのように、これからも、一生傍にいるんだと。
離れることはないと。
だから私は言った。
もっと確かな絆を手に入れるために。
「私も、まーくんが好き...」