ある夏の日、 第三者

 

「好きだ」

 

 

その男の子は言った。

自分の大好きな女の子の目をきちんと見て。

きっと他から見たら、

「ませてるわねぇ」

とか

「初々しいわね」

とか茶化されそうだが男の子は真剣だった。

子供はどんな小さなことでも真剣で一生懸命である。

そしてそれは、今も例外ではなかった。

 

告白されている女の子はいわゆる天然であった。

きっといつもなら、

「私も好きだよ」

と友達口調で明るくかわしていただろう。

しかしその子は鈍感ではなかった。

男の子の言葉を、真剣なまなざしを、想いをきちんとうけとめていた。

 

そして...

 

 

その子は笑った...

 

 

 

 

back 目次 next

top

inserted by FC2 system